里親が育てる。社会が支える。

コロナ禍の事情にもよりますがハイブリッド型(※)で行うこともありえます。詳細は随時、HPにアップします。
※原則オンラインで開催、状況に応じて別途対面式の別会場を用意します。

講座について

子どもを養育する里親を支援するパイオニアを育てる、日本初のフォスタリング・ソーシャルワーク専門職講座を開催します。

家族理解力を高めます

フォスタリング・ソーシャルワーク専門職講座では家族理解力を高めていきます。家族理解は家族療法の理論や家族システム論をもとにしたファミリーグループダイナミクスをみる力と考えています。これを毎回の講座に組み込んで知識として理解していきます。

家族が複数存在するのが里親里子関係の家族です。生まれた家族、社会的養護での育ち、そして里親家族、さらに18歳以降に自らが構成していく家族と幾重にも家族体験をするのが里子です。里親が複数になる場合もあります。こうした特色ある子どもの育ちに寄り添うフォスタリング・ソーシャルワークに必要な家族理解の基本はジェノグラムワークをとおして身につけます。毎回グループワークを組み込んでいるのでそこで実際に応用しながら学びます。さらにフォスタリング・ソーシャルワークに熟練していく過程では、里親家族が暮らすエコマップの理解も必要です。保育園や幼稚園、学校、児童相談所等がコミュニティとなっています。これらをまとめて「家族をシステムとしてエコロジカルにみること」として位置づけています。この講座の背景にある家族理解の理論です。

家族の相互作用を見つめます

家族システムは生きています。家族の相互作用の仕方を見極める力がソーシャルワーカーには必要です。愛されたい欲望による操作性やアタッチメントに課題のある相互作用が起こります。養育者の救済者願望やケア役割を刺激する巻き込みの相互作用、何らかのトラウマ的な絆の形成や依存的な関係を求める相互作用もあります。実に多様な家族問題が社会的養育では起こります。こうした中を生きる里子の力は複数の家族を生きていくなかで身につける物語る力といえます。具体的にはライフストーリーワークとして、真実告知も含めてどのように里親と里子が自らの人生の物語を描けるのか、それを支援するソーシャルワークの理念と手法について学びます。

社会が人を育てる力を育む
専門職のための講座です

家族という関係は相互依存の体系であり、愛情という感情作用によって保持されつづける関係です。相互依存は立場の強い者と弱い者の関係を含みます。もちろん強い者であっても弱い者が存在してはじめて成り立つ関係だから自立と依存の関係は複雑です。子どもは確かに弱い存在ですが、大人を親にする力をもっています。弱いけど強いのです。そうした関係性の機微は家族だからこその強みとなります。多様に張り巡らされた相互依存の網の目が家族システムを強化したり、弱めたりします。里子は社会のもつ養育力を強化してくれる存在です。社会が人を育てる力を高めていく大きな課題のひとつです。そうした里親里子関係を見守る高度な専門職の実践に正解はありません。暗黙の知、実践の知といえるでしょう。しかし、基礎として身につけるべき力量は体系的に存在します。これをまとめて臨床の知、省察の知として組成しました。

講座では基礎的な家族理解力を身につけていきます。そして毎回のグループワークと修了後のフォローアップ研修をとおして里親家族というグループダイナミクスに関わるソーシャルワークの実践力を磨いていきます。

学びが身につく、すぐ活かせる

本講座は、インタラクティブな学習ができるグループワークと第一線で活躍する講師陣による講義の2部制。講座では、オーストラリアの里親支援機関キーアセットのCEOを務めたRob Ryan氏より、フォスタリング・ソーシャルワークの基礎を学べます!

希望者はオーストラリア(予定)への視察旅行も可能(自己負担)。国内外の先進的な理念や実践を学んで、これからの里親支援を共に切り開いていきましょう!

経験豊かな講師陣と外部講師陣、またオンデマンド学習に加えて、様々な「当事者」をゲストスピーカーとしてお招きします。具体的には、以下のような方々を予定しています。

■実際に里親として活躍しておられる方

■里親家庭・養子縁組家庭で子どもとして暮らしたことのある方、またはそこで生まれた実子の方

■各種の依存症や治療を経験した方 など普段なかなか聞くことができない、経験に基づく生きたストーリーから、日々の実践を振り返る貴重な機会を得ることができます。

受講生からのメッセージ

過去の講座風景を見る

フォローアップ研修について
(任意参加)

本講座の修了後も、年4回(予定)のフォローアップ研修を通じて、継続的にサポートする場を提供いたします。
ジェノグラムワークという手法を用いて、家族理解力を高める事例検討を行います。

ジェノグラムワークを
用いた事例検討について

フォローアップ研修担当講師 千葉 晃央

フォローアップ研修に参加した1期生の声

普段職場では他の職員とも連携していますが、いざ里親リクルート・訪問支援・研修となるとほとんどを一人で担います。この先の里親支援をどう構築していったらいいのか、他機関とどのように連携していったらいいのか悩みの中、この研修に参加しました。

研修を終えて初めてのフォローアップ研修。オンラインではありましたが半数のメンバーと講師人の先生方が顔を合わせました。この感じ!と久しぶりの研修生モード。
ジェノグラムワークでの事例検討。自分の視点だけの気付きでは狭い支援になっていること、寄り添う視点だけでなく客観的な視点を持ち視野を広げる必要性を感じました。一つの事例を色んな角度から見ることができ、学べる場って改めて素晴らしいなと感じました。このフォローアップ研修を通して、改めて参加メンバー・先生方と繋がることができ、まだまだ学びを自分の視点に変えていけると実感しています。
他機関の方々との連携・協働ができるこの場は、確実にこれからのモチベーションに繋がっています。

社会福祉法人 大阪水上隣保館
翼 里親支援機関B型
里親支援専門相談員 土井聡子

対象者

  • 現在、里親支援に従事している方
  • 現在、対人援助職に従事しており、近い未来に里親支援に 従事する予定がある方

受講者の学びを促進するため、すべての回に参加できる方のみご応募ください。
一部分のみの受講は受け付けておりませんのでご了承願います。

今年は新型コロナの感染防止の観点から全回ウェブを活用します。
そのため、ウェブ会議が実施できる環境がある方に限定します。

お申込について

[受講料]
60,000円(税込)

ご本人の都合により受講をキャンセルする場合、ご入金後の返金はできませんので、何卒ご了承ください。

[定員]
25名
[応募の流れ]
9月23日:応募締め切り
9月30日:合格通知(応募者多数の場合)
[受講申込方法]
■必要書類
1. 受講申込書
2. 履歴書(書式自由)
3. 志望動機書(書式・分量自由)
■申込方法
・上記必要書類を、以下のメールアドレスに添付でご送信ください。
 foster@st.ritsumei.ac.jp
・件名を、「専門職講座申込み(氏名)」と記入してください。
・9月25日(金)までに受領メールが届かない場合は、ご連絡ください。
受講申込書(Word)をダウンロード

カリキュラム

レクチャー(各回1時間)

  • ソーシャルワークの理念と実践
  • 多様な文化とアイデンティティの理解
  • オーストラリアの先駆的な理念と実践
  • 社会的養育の国際的な理念と家庭養育優先の原理
  • 社会的養育と家庭養育の歴史と制度
  • 社会的養育に関連する公的機関と民間機関
  • 社会的養育に関連する法律
  • 子どもの発達と社会的養育や保護の経験
  • 子どものトラウマとアタッチメント
  • 子どもの性的問題行動と性的搾取について
  • 実親等への理解と協働の重要性
  • ライフストーリーワーク
  • 家族理解(家族療法)
  • エビデンスやデータを現場で活用する方法

グループワーク(各回2時間30分)

  • 多様性の理解
  • 安全な養育
  • 里親理解とチーム養育
  • 自己覚知
  • ケース検討
  • 関係性の病理(社会病理学)
  • 子どもの問題行動
  • 当事者から学ぶ
  • 里親の不適切な養育への対応

※受講生の皆さまのニーズを聞いて、具体的に進めていきます。

講師紹介

中村 正

中村 正

立命館大学教授

社会病理学/臨床社会学

「育ての親という生き方」を広げていきたいと思います。それをサポートする仕事がさらに求められています。里親実践の経験とそこで育った当事者から学ぶ講座です。

子どもの育ちを地域に根ざして支援する社会的養育を保障していくことが今後の子育て支援の主流となっていきます。単に虐待への対応という狭い意味だけではなく、子どもの育ちについて社会が責任をもち、子どもを社会の主人公に育てあげていくエデュケーション(Education)とケア(Care)の統合(エデュ−ケア)を軸にして子育て文化を育んでいくための学びの場です。

徳永 祥子

立命館大学准教授
ソーシャルワーク/児童福祉学

略歴
英国ルートン大学卒業後、京都府立大学大学院で学ぶ。大学院ではライフストーリーワークを学び、その後、児童福祉施設や里親家庭で暮らす子どもに向けた実践と研究を行っている。
メッセージ
本講座では、授業で学ぶことだけではなく、そこで得られるソーシャルワーカー同士の横のつながりやそこから得られる気づきや支え合いの場になることができるように、運営をしています。
現場の仕事は忙しく日々が過ぎていくと思いますが、本講座にお越しいただき、日々の実践や悩みを客観的に整理する時間を持ってみませんか?

渡邊 守

特定非営利活動法人キーアセット 代表

略歴
学生生活の後、約8年間の一般企業での営業職を経てオーストラリア・モナシュ大学へ留学。2005年に、同大学にてMaster of Social Workを取得。
帰国後は大阪府にて里親登録を行い、約5年間養育里親として社会的養護の養育を担う。現在は、家庭養護の質の向上のため、里親支援に関わる事業を行うNPO法人キーアセットの代表として活動している。
メッセージ
フォスタリング業務のためのソーシャルワークは、日本においてはこれから大きく発展が求められます。その発展をリードするための革新的で多様な考え方を学ぶだけでなく、里親家庭、関係機関や地域社会、そして里親家庭へ委託される子どもと彼らの家族と共に変化を生み出すための“専門性”を学べるユニークな研修です。第2期生の皆様とお会いできるのを楽しみにしています。

上村 宏樹

一般社団法人 無憂樹 代表
白百合女子大学 非常勤講師(心理学)

略歴
児童養護施設での現場経験の後、こども教育宝仙大学の専任講師(社会的養護・現場実習などを担当)となる。2017年に非営利の一般社団法人無憂樹を立ち上げ、社会的養護の現場、フォスタリング機関、施設等を支援している。また現在、無憂樹はフォスタリングチェンジ・プログラム・ジャパンの事務局を担っている。
メッセージ
2016年の児童福祉法改正で、「子どもの権利条約」を基本理念として明記されました。子どもにとって何が最もよいのかを社会的養育において考える上では、里親制度は非常に重要な位置づけになると思います。同時に、それを担うフォスタリングソーシャルワーカーの役割に対する期待も、とても大きなものとなります。
本講座を通して、これからのフォスタリングソーシャルワーカーの在り方について一緒に学び、探求していければと思っています。

千葉 晃央

立命館大学人間科学研究所 客員研究員/社会福祉士
「家族支援と対人援助ちばっち」主宰
家族療法/グループワーク/障害者福祉

略歴
1999年以降、家族療法を学び、相談員として実践。障害者福祉施設(就労支援)、障害者ケアマネジメント等の現場で24年勤務。国家資格社会福祉士養成、行政ケースワーカー養成、大学保育士等養成の現場で15年従事。19年目、開催回数206回を数える「家族をテーマにした事例検討会」を主催。対人援助学会理事、WEB雑誌「対人援助学マガジン」編集員。「家族支援と対人援助ちばっち」主宰。2020年から里親支援の現場にも従事している。
メッセージ
家族療法の実践を通して、家族が直面する課題とそれを乗り越える可能性をたくさん見てきました。私たちが出会うのは「里親家族」という生き方にチャレンジしているご家族です。その生き方を支える専門性が求められています。何より、一番の主人公は子どもです。子どものニーズに合わせた接し方を家族ができるようサポートもしなければなりません。そして、そのご家族のチャレンジが、子どもたちの豊かな育ちにつながることが当然求められます。フォスタリングソーシャルワーカーは非常にやりがいのある使命を担っているといえるでしょう。

Rob Ryan

元キーアセットオーストラリア CEO

団士郎

立命館大学訪問教授

家族心理臨床・家族療法

才村 眞理

帝塚山大学非常勤講師

ライフストーリーワーク

山本真知子

大妻女子大学専任講師

子ども家庭福祉学/里親家庭の子どもの支援

西郷 民紗

HITOTOWA子ども総研

エビデンスに基づく実践

荒木 晃子

立命館大学人間科学研究所客員研究員/生殖医療施設心理カウンセラー

不妊心理/家族形成支援

ゲストスピーカー

当事者ゲストスピーカーを多数お招きする予定。
2019年度は、養子縁組家庭や里親縁組家庭で育った方々、里親経験者、
依存症からの回復当事者などをお招きしました。

講座詳細情報

■講座スケジュール(全14回)

第1回 2020年10月10日(土)
第2回 2020年10月11日(日)
第3回 2020年10月25日(日)
第4回 2020年11月8日(日)
第5回 2020年11月15日(日)
第6回 2020年12月12日(土)
第7回 2020年12月20日(日)
第8回 2021年1月16日(土)
第9回 2021年1月17日(日)
第10回 2021年1月31日(日)
第11回 2021年2月13日(土)
第12回 2021年2月14日(日)
第13回 2021年3月20日(土)
第14回 2021年3月21日(日)

※時間帯は全日程を通して13:00~16:30となります。

※座学が1時間、グループワークが2時間30分の構成です。

■スタディツアー(希望者)

日程未定

■最終講義及び修了式

3月(日時未定)

オンデマンド学習

これまでの講座の「動画」をご用意しています

※講義開始後にパスワード等をお知らせしますので、
講義の流れに沿ってご自宅で視聴いただきます。

オンデマンド学習講師陣

里親養育や養子縁組で育った当事者や携わる
養育者、支援者を講師として招聘

山本 恒雄

愛育研究所客員研究員

児童福祉ソーシャルワーク

上鹿渡 和宏

早稲田大学教授・精神科医

子ども家庭福祉

宮口 智恵

チャイルドリソースセンター

親子関係再構築支援

市川 岳仁

三重ダルク代表

アディクション(依存)からの回復支援

石田 賀奈子

立命館大学 准教授

ファミリーソーシャルワーク 家族再統合支援

山口 修平

一宮学園副施設長・家庭支援専門相談員

治療的養育

中根 成寿

京都府立大学 公共政策学部 准教授

ケアする家族の福祉社会学研究

村本 邦子

立命館大学 教授

臨床心理学、女性学

昇 慶一

常磐会学園大学

里親支援と法律

和田 一郎

花園大学 教授

児童福祉論・エビデンスに基づく社会政策

北村 真也

認定フリースクール 学びの森 代表

思春期青年期の育ち(不登校ひきこもり支援)

お問い合わせ先

075-465-8358 foster@st.ritsumei.ac.jp