本講座の修了後も、年6回(2022年度)のフォローアップ研修を通じて、継続的にサポートする場を提供いたします。 ジェノグラムワークという手法を用いて、家族理解力を高める事例検討を行います。
ジェノグラムワークを用いた事例検討について
関西には、援助職が自主的に集まり続ける20年目を迎える事例検討会があります。そこで行われている事例検討の手法はジェノグラムワークです。意図的にケースの情報を制限し、そのケースが歩んだ、もしくは歩んだかもしれない可能性を参加者とともに、たくさん想像し、出し合います。その中には、事実と異なることが含まれています。事実より、困難な意見があれば、その家族が乗り越えた危機です。そこから家族のストレングスが見えてきます。事実よりも、よい状況の意見があれば、そのケースが実現可能な目標になるかもしれません。事例提出者は、ケースが乗り越えた「努力」を知っている人になり、更に今後の支援について現実的なプランを持つ人にもなります。大先生だけがコメントをするのではなく、参加者全員で考え、話し合いますので、誰もが資源となります。資料作成の負担、事例報告の負担もほとんどありません。これは、事例提出者を応援することに狙いを定めた事例検討の一つです。
困った状況を事例提出者が出す時点で、援助者もその困った状況に含まれています。そのシステム全体を扱うためには、ジェノグラムに加えて、社会関係を加えたエコマップを事例検討でも作成し、議論を進めます。ケースだけでなく、支援者、支援機関を含めた全体の理解と、そこでの力動が明確になり、今後の方針が見えやすくなります。
この「フォスタリングソーシャルワーカー養成講座」のフォローアップ研修でもジェノグラムワークを行います。20年目を迎える「家族をテーマにした事例検討会」を主催する千葉晃央が担当します。講座修了後も3年間、同じ講座を学んだ仲間とともに学び続けることができます。あなたの現場を支え、そしてあなたのがんばりを知ってくれている仲間ができ、一緒に援助職としての成長を感じる。そんな場所を、この講座は皆さんと共に作っていきます。
京都光華女子大学
健康科学部 医療福祉学科 社会福祉専攻 講師
千葉 晃央
フォローアップ研修に参加した1期生の声
普段職場では他の職員とも連携していますが、いざ里親リクルート・訪問支援・研修となるとほとんどを一人で担います。この先の里親支援をどう構築していったらいいのか、他機関とどのように連携していったらいいのか悩みの中、この研修に参加しました。
研修を終えて初めてのフォローアップ研修。オンラインではありましたが半数のメンバーと講師人の先生方が顔を合わせました。この感じ!と久しぶりの研修生モード。
ジェノグラムワークでの事例検討。自分の視点だけの気付きでは狭い支援になっていること、寄り添う視点だけでなく客観的な視点を持ち視野を広げる必要性を感じました。一つの事例を色んな角度から見ることができ、学べる場って改めて素晴らしいなと感じました。このフォローアップ研修を通して、改めて参加メンバー・先生方と繋がることができ、まだまだ学びを自分の視点に変えていけると実感しています。
他機関の方々との連携・協働ができるこの場は、確実にこれからのモチベーションに繋がっています。
社会福祉法人 大阪水上隣保館
翼 里親支援機関B型
里親支援専門相談員 土井 聡子